今の健康保険点数は、第二次世界大戦後に当時の進駐軍が、わが国で国民皆保険制度を実験導入する際、医師の技術料評価を決めるための仕組みを高名な医事評論家に聞いたことから始まっています。
そのときのメルクマールは、虫垂炎の手術にかかるコストを算出し、ある程度の原価計算をベースにしたもので、他の技術が虫垂炎に比べてどのくらい簡単なのか、あるいはどのくらいコストがかかるのか概算で算出し点数化したようです。
したがって、そのときから誰が手術しようと、同じ病名なら同点数になるようになってしまったのです。その後、保険点数は数々の改訂を重ね、医師等技術者の仕事を評価する項目より先端技術により開発された医療機器に点数をつける方向へ進んでいきました。何もそれ自体悪いこととは思いませんが、機器ばかりに点数をつけることより、人が身につけた現代の医療技術で高度なものに点数を設定していく方向も提案したいです。
さらに先進医療とか先端医療というと、わが国だけでなく世界で行っている数少ない医療を意味しやすいと思います。
しかし、医療は誰でも平等に最良のものを受ける権利があるわけで、世界で数例しか経験のないものを本当に先進とか先端というのかは疑問であります。
マスコミが取り上げる内容とは必ずしも一致しませんが、介護や福祉の現場にも先進的で高度なものは存在します。しかもこちらは毎日必要とせまられています。これらの疑問を風通しよく議論し真の先進医療とは何かを見つけたいと考えています。